市立伊丹ミュージアム

HAIKU PROGRAMS

伊丹一句(19)の日 結果発表

令和7年7~9月分

たくさんの投句をありがとうございました!伊丹一句(19)の日は毎月19~21日に実施していますので、どなたでも気軽に投句してください!

令和7年7月分(投句総数:1020句)

特選

スカートで仁王立ちする涼しさよ  大阪府  石田愛子

(選評)仁王立ちする大胆さがいいなあ。少女でもいいが、中年の女性と読みたい。涼しさを具体的に感じる。(坪内稔典)

入選

和田 華凜 選

熱帯夜決まらぬ腕の置きどころ  大阪府  熊木泰子
ルーブルのカバは青なり巴里祭  大阪府  高橋智代

岡田 耕治 選

引き出しに化石の光る大暑かな  静岡県  いとへん製作所
立ち読みを燻してきたる蚊遣香  京都府  加藤草児

名村 早智子 選

きみを呼ぶ滝音と張り合ふやうに  大阪府  おかだ卯月
虫籠の紐はぐにやりと夜を待つ  富山県  河原仁志

坪内 稔典 選

白南風や姉と分け合うクリームパン  兵庫県  北原薫
炎天下コントラバスを背負ひ来る  神奈川県  龍野ひろし

柿衞文庫賞

おおよその全長で蛇生きてゆく   インドネシア  大工原一彦

佳作

選ばれて饒舌になる夏の海   兵庫県  浅井郁
夏の星指で結んでまた解く   大阪府  荒木直幸
みつ豆や舌の戸惑う色かたち   大阪府  井上昌子
絡みつく言の葉多し髪洗ふ   兵庫県  岩永靜代
読むあてもなき父の書を曝しけり   兵庫県  内田あさ子
チケットの二枚机の上に夏   埼玉県  大野美波
表札に遺る祖母の名百日紅   大阪府  小川野雪兎
たべごろはたべさせごろや秋ちかし   大阪府  かなっぺ
星すずし布とんあわせて恋バナだ   兵庫県   田中優花
AIに問へば即答日雷   大阪府   徳重三恵
霊山と云へど高野の暑さかな   和歌山県   中島紀生
空蝉のなかにきのふの雨いつてき   熊本県   夏風かをる
ミストからミストへ走る鹿の子かな   奈良県  西本匠
カブトムシよるはゴソゴソヘリコプター   兵庫県  橋本健太
夜濯ぎの背番号なきユニフォーム   東京都  羽住博之
どこまでも麦わら帽の父無敵   兵庫県 平尾美智男
折り紙の恐竜転ぶ夏座敷   大阪府  平川直子
大きな目家族の話聞く金魚   兵庫県  槇原八重子
夏服やさらさら風の子とならむ   岐阜県  丸山美樹
なつのよるカブトおきるようじゃうじゃと   兵庫県   宮本彩叶
噴水の向こうはパントマイムかな   兵庫県   武藤優子

令和7年8月分(投句総数:1023句)

特選

ゆく夏や二つに畳む将棋盤   東京都  羽住博之

(選評)将棋で暑さをしのいだ夏だったのだろう。軽便な将棋盤によるへぼ将棋の楽しさが伝わる秀句。(坪内稔典)

入選

和田 華凜 選

秋めくや三ミリ高き今日の空   宮崎県  石崎智子
病室に画鋲の跡や蝉しぐれ   大阪府  押見げばげば

岡田 耕治 選

まづ西瓜抱へ入れたる合宿所   山梨県  辻基倫子
この村に赤子ひとりの地蔵盆   奈良  西本匠

名村 早智子 選

がんばつてゐないぼくにもみえる虹   奈良県  青居舞
露草や澄み切る空を色として   兵庫県  荒川芳郎

坪内 稔典 選

全員が吹奏楽部スイカ割り   福井県  植木むしを
考えるよりも海月におなりなさい   埼玉県  澤田紫

柿衞文庫賞

素っぴんがいいんだビール飲む時は   大阪府  西川清子

佳作

そうめんして冷奴してビールして   大阪府  雨森茂喜
山椒魚ぼくはあのこが好きだよう   大阪府  石浜西夏
三つ編みに夜店の匂ひ残りけり   大阪府  おかだ卯月
折り紙のあさがお青く受付に   兵庫県  小川博子
指先の塩の甘さよ衣被   奈良県  片岡宏子
茄子の牛まつたく歩く気配なく   神奈川県  川越羽流
4Bで描く左手原爆忌   奈良県  こにし桃
回し文後ろ手に受け青葉風   東京都   木幡忠文
歯ブラシがボサボサ男子寮に夏   静岡県   四條たんし
夜泣きの子抱いて歩けば流れ星   兵庫県   平山啓一
桐一葉騒がしき世に落ちにけり   兵庫県   槇原八重子
空箱となりて生家は蝉しぐれ   兵庫県  松永田鶴子
星月夜長距離バスの中継地   兵庫県  松元一師
噴水に濡れたくないの濡れたいの   兵庫県   丸岡育子
めんどうなことのしあわせ赤とんぼ   高知県  水足佳恵
稲妻を呼んでいそうなイヤリング   東京都  村上ヤチ代
白ナプキン立つ新涼の予約席   東京都  有野安津

令和7年9月分(投句総数:917句)

特選

梨箱が届く義兄のくせ字ふふ   奈良県  岡谷よし子

(選評)「ふふ」から喜び、親しみなどが感じられる。多分、義兄は梨を栽培しているのだろう。不揃いな梨のひとつをさっそく剥く場面が目に浮かぶ。(坪内稔典)

入選

和田 華凜 選

新蕎麦や一句書きたる箸袋   愛媛県  砂山恵子
国境をぬける道なき大花野   東京都  椿泰文

岡田 耕治 選

じてんしゃにぶつかってくるあかとんぼ   兵庫県  今北葵
いちじくの握りかへしてくる重さ   静岡県  忍田孝乃

名村 早智子 選

切絵みなふるさとの景涼新た   大阪府  荻野ひとみ
公園は矢印多し小鳥来る   北海道  北藤詩旦

坪内 稔典 選

ゆるせないことだってある桃だって   兵庫県  松原和代
横顔の右より左好きな秋   静岡県  山里うしを

柿衞文庫賞

秋雨や体温計に窓ひとつ   埼玉県  吉田春代

佳作

人形の口は小さし秋気澄む   大阪府  青木美葉
雨止むや秋刀魚を買ひにゆくときは   愛知県  飯田イサク
夜長なる色鉛筆の藍の音   宮崎県  石崎智子
どの枝も撓らせてゐる石榴かな   大阪府  石田陽彦
絡まりて重たきホース秋旱   滋賀県  近江菫花
行く秋や了解とだけメール打つ   富山県  折田祐美子
蓑虫やなほ重心を探りをり   兵庫県  榧野実
天高し手の鳴る方へ牛の来て   東京都  木地順子
磨き終えた瓶の内側星月夜   兵庫県  北原薫
昼からは西向いてをり案山子翁   長野県  杏乃みずな
露の玉みな純粋なかたちして   東京都  鯛みわ
かにさんにてをはさまれたなつやすみ   兵庫県  佐藤輝一
ふと私夕焼けになる愛になる   兵庫県  城田怜子
あかがめとあおがめいたよなつやすみ   兵庫県  田中祐衣
爽やかに腹の空きたる病後かな  山梨県  辻基倫子
ただならぬ二人に虫は声潜め   和歌山県  中島紀生
伏兵の痩せぎすに沸く草相撲   兵庫県  丸岡育子
せーのーで食べる飛蝗の塩炒め   大阪府  椋本望生
母校には円墳二つ小鳥来る   岐阜県  鷲津誠

入賞者には、投句時にご記入いただいたご連絡先にミュージアムよりご連絡させていただいております。まだ連絡がない場合は、何らかのエラー、もしくはお電話の不通が考えられますので、お手数ですが市立伊丹ミュージアム(072-772-5959)までご連絡ください。

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