市立伊丹ミュージアム

HAIKU PROGRAMS

伊丹一句(19)の日 結果発表

令和6年7~9月分

たくさんの投句をありがとうございました!伊丹一句(19)の日は毎月19~21日に実施していますので、どなたでも気軽に投句してください!

令和6年7月分(投句総数:1430句)

特選

トカゲさんすぐにげまわるおれみたい   兵庫県  松井 優希飛

(選評)「おれみたい」がいいなあ。トカゲをもう一人の自分と見たとき、世界がちょっとだけ広くなりましたね。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

脱ぎつぷりそれは見事な蛇の皮   島根県  寺津 豪佐
揚花火新たな能登の始まれり   石川県  中 十七波
ポルトガルの地図に置きたる夏帽子   兵庫県  藤本 仁士

和田 華凜 選

約束よ夕顔ひらききる前に   兵庫県  板垣 直美
新しき水に鮮やかなる金魚   兵庫県  大山 紀子
陽に光る物干し竿や梅雨の明  東京都  北原 早春

岡田 耕治 選

妖怪に助けてもらう夏休み   奈良県  相沢 はつみ
配られて試合近づくバナナかな   東京都  阿部 八富利
二足歩行プールの底にある余白  静岡県  いたまき 芯

坪内 稔典 選

鬼百合としゃべっているのほっといて  大阪府  石浜 西夏
わたしたちまだまだ本気じゃないビール   埼玉県  大野 美波
爺ちゃんの日傘デビューに手を振って  大阪府  合田 マサル

柿衞文庫賞

表札に連なる名前燕の子  奈良県  青居 舞
海の香やここが終点ところてん   大阪府  石田 愛子
夏草の迫る車窓や伊予三島   岡山県  井上 れんげ
地球から脚をはみ出し夕端居    兵庫県  岩永 靜代
夏陽射し少年一瞬透き通る   兵庫県  北原 諒
開栓のやうに蟷螂生まれくる  滋賀県  空流峰山
不器用に生きて木綿の冷奴   兵庫県  小前 信子

佳作

青田中郵便バイク浮き行きぬ   奈良県  阿部 由希子
干し終へし高さに咲きし葵かな   大阪府  井上 昌子
易者から湿布のにほひ夏の月   福岡県  江口 秋子
お互ひに名前を忘れ夏帽子   兵庫県  沖津 京子
百円のマニキュア赫し夏休   神奈川県  川越 羽流
蜜豆や内緒話の大き声   大阪府  島田 和子
おいラムネ縁側で飲む涼しさよ   兵庫県  台丸谷 美羽
七月のゴッホの椅子にひいばあちゃん   兵庫県  武田 近子
母の日を紙の指輪の輝ける   大阪府   玉家屋
飛び込みやジャックナイフとなりにけり   北海道   庭野 環石
まっかだなぼくがそだてたトマトだぞ    兵庫県   林 來威
一度でも走ってみたい天の川     兵庫県   松下 大祐
かぶとむしすででそおっとつかまえる     兵庫県   椋田 隼佑
水海月ときに水より水めいて   兵庫県  村上 栄子

令和6年8月分(投句総数:854句)

特選

鬼貫を語り今宵は月見酒   大阪府  高橋 智代

(選評)鬼貫をキカンと読む人が増えています。オニツラを語り、鬼貫といっしょに伊丹酒をくむ人を増やしたいです。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

空蝉は風に揺れたる葉を掴み   宮崎県  石崎 智子
喪の家の夾竹桃の白さかな   奈良県  猪熊 さき代
原爆忌ちびりちびりと水を飲む  兵庫県  冨士原 博美

和田 華凜 選

蝗の目大地のいろに暮れゆけり   大阪府  押見 げばげば
かなかなやいつかひとりになる家に   愛媛県  砂山 恵子
白絵具しぼりつくして夏終る   兵庫県  武田 優子

岡田 耕治 選

ハウリング起きて祭りのはじまりぬ   福岡県  江口 秋子
便箋の文字消えてゐる暑さかな   大阪府  荻野 ひとみ
褒められて外へ出たがる夏帽子  兵庫県  三木 崇弘

坪内 稔典 選

妹の木琴聞けず原爆忌   兵庫県  安東 優汰
秋の蜂ひょうひょうとしてタイプです   兵庫県  上田 幸子
教室の溺れぬようにいる金魚  富山県  折田 祐美子

柿衞文庫賞

ふるさとのかなかなを聞く目覚めかな   兵庫県  荒川 芳郎
木造の校舎小さく大花野   大阪府  和泉 攷
昂るるまま幕間の穴子飯   神奈川県  植木 彩由
夏休みけんかいっぱいなのに好き   奈良県  里井 貴美子
私たち猫じゃらしたち揺れていた   兵庫県  城田 怜子
秋暑しなんでも載せる猫車   神奈川県  沼野 大統領
雷鳴や掛時計また進みをり    新潟県   春野 ぷりん

佳作

夕風を呼び込む白さ花木槿   大阪府  石田 陽彦
私と折り合いつけて午後の桃   静岡県  いたまき 芯
真つ先に改札抜ける麦藁帽   兵庫県  岩永 靜代
宿坊に杖を洗ひて秋遍路   大阪府  おかげでさんぽ
敵役一人もいない夏芝居   奈良県  こにし 桃
ヒロシマを知らない人の夏帽子     兵庫県  藤本 仁士
軽トラや流し素麺まで三里   愛媛県  松田 夜市
鶏頭の肉厚の赤抓みけり    兵庫県   松元 一師
秋高し地球を蹴って歩いてる   大阪府   山岡 和子
七十路は村の若手や溝浚へ   島根県   吉浦 増

令和6年9月分(投句総数:1055句)

特選

無花果を喰ふ裏返しうらがへし   和歌山県  柚木 みゆき

(選評)大の無花果好きですね。皮をなめつくしているようですが、そのようすがおかしく、なんだか楽しいです。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

多摩川のゆつたり曲がり稲架日和   神奈川県  川越 羽流
芋煮会雲より大き湯気を上げ   東京都  木幡 忠文
赤い羽根付け替えて着るワンピース  東京都   村上 ヤチ代

和田 華凜 選

虫の声ゆつくりはづすコンタクト   大阪府  青木 美葉
汐の香のぬるき漁港や揚花火   兵庫県  キートスばんじょうし
秋風や如雨露転がる消防署  大阪府  山崎 かよ

岡田 耕治 選

絵手紙の余白あかるし花梨の実   大阪府  小川野 雪兎
夏期講習もう日がしずむでも続く   兵庫県  木村 魁里
夕立に天使と悪魔せめぎ合う  兵庫県  山下 裕人

坪内 稔典 選

これからはあんぽんたんの柿になる   兵庫県  奥本 七朗
青みかんこのまま好きでいさせてね   広島県  かつたろー。
妻の黙柿をころがす卓の上  京都府  草夕 感じ

柿衞文庫賞

うかと風つかみこぼるるさるすべり   大阪府  井上 昌子
虫の夜ひとりになりし家にゐて   大阪府  おかだ 卯月
アフリカの象日本の林檎食う   熊本県  貴田 雄介
ミニカーの路を塞ぎぬ大西瓜   東京都  桜鯛 みわ
無花果がタルトになった誕生日   兵庫県  長谷川 淑子
友だちの友達は犬秋うらら   兵庫県  濱口 宏子
花野行く犬のリードを長くして   神奈川県  龍野 ひろし

佳作

牛丼の七味たっぷり獺祭忌   兵庫県  上田 幸子
生きてこそ存分に食ふ今年米   兵庫県  荻野 ひとみ
銭湯のにほひのタオル西瓜喰ふ   大阪府  押見 げばげば
鈴虫のだあれも居ない校務室   奈良県  勝木 豊
虫すだく旧酒蔵の大竈   兵庫県  岸下 庄二
秋の灯や老舗蕎麦屋の古暖簾   兵庫県  小前 信子
初めてのウーバーイーツ花野まで   奈良県  里井 貴美子
物理とは夢を追うこと林檎落つ   愛媛県  砂山 恵子
新聞に包まれて来し月見豆   兵庫県  竹中 佳子
下校時の糸瓜の影の長さかな  島根県  寺津 豪佐

入賞者には、投句時にご記入いただいたご連絡先にミュージアムよりご連絡させていただいております。まだ連絡がない場合は、何らかのエラー、もしくはお電話の不通が考えられますので、お手数ですが市立伊丹ミュージアム(072-772-5959)までご連絡ください。

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