市立伊丹ミュージアム

HAIKU PROGRAMS

伊丹一句(19)の日 結果発表

令和6年4~6月分

たくさんの投句をありがとうございました!伊丹一句(19)の日は毎月19~21日に実施していますので、どなたでも気軽に投句してください!

令和6年4月分(投句総数:925句)

特選

優しいに憂いという字星朧   和歌山県  柚木 みゆき

(選評)季語は「朧」(春)。 憂いという字を見つけて、優しさがいっそう深くなる感じでしょうか。朧な星はその優しさの具体的なイメージです。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

汐待ちの海人の焚火や若布刈時   兵庫県  内田 あさ子
しやぼん玉吹けば膨らむ恋心   兵庫県  横井 司
生きるとは変わりゆくこと山笑ふ   埼玉県  吉田 春代

和田 華凜 選

丸太より彫られし菩薩艶ぬくし   大阪府  青木 美葉
囀や三つ児のバギーたたみをり   大阪府  和泉 攷
風待つや虚子忌の海の真つ平  北海道  村瀬 ふみや

岡田 耕治 選

蝶生る阿弥陀如来のまぶたより   大阪府  押見 げばげば
柳絮とぶ方向音痴のわたしたち   大阪府  鶴濱 節子
囀の見ゆまで磨く窓硝子  大阪府  椋本 望生

坪内 稔典 選

月朧森へ捨てられるの私  東京都  青井 えのこ
ポイントが貯まったらしい葱坊主   大阪府  雨森 茂喜
亀鳴いて少し書き足す俳句帳  大阪府  荒木 直幸

柿衞文庫賞

髑髏に花の一片理科教室  兵庫県  北原 諒
紅椿褪せし二階の屋根瓦   東京都  鈴白 菜実
叡電に吹きあげられて花の屑   京都府  草夕 感じ
花月夜牛丼三つを持ち帰る    兵庫県  西峯 久仁子
受話器より沈黙を聴く鳥曇   千葉県  沼 みちこ
腕の中児の温もりと花疲  兵庫県  三木 崇弘
飛花落花ボクとパン種発酵中   兵庫県  村上 栄子

佳作

囀や休学届出しにゆく   愛知県  飯田 イサク
恐竜の背骨長々春の星   大阪府  石浜 西夏
鳥の巣を見ていたバスが行っちゃった   静岡県  いたまき 芯
留守電に「新玉葱掘に来い」とのみ   大阪府  岡崎 正子
波蹴つて波に追はれて磯遊び   大阪府  おかだ 卯月
雑巾の縫い目はピンク入学児   富山県  折田 祐美子
アリクイの舌長々と目借時   京都府  加藤 草児
マネキンがどれも横向く四月馬鹿   兵庫県  国代 鶏侍
予定など何も入れずに春惜しむ   奈良県   里井 貴美子
うっかりとプロポーズ受け磯巾着   兵庫県   武田 近子
亀の鳴く僕は謝るつもりもない    兵庫県   新元 光代
棟梁の手のまた伸びる桜餅     神奈川県   花瀬 玲
胃カメラの番号札や花の冷     新潟県   春野 ぷりん

令和6年5月分(投句総数:795句)

特選

はちきんの競り落としたる初鰹   兵庫県  榧野 実

(選評)「はちきん」は快活な高知の女性。代表的な土佐弁ですが、今では全国的に通じるでしょう。そのはちきんが買った初鰹はとびきり新鮮な鰹、うまそうです。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

番台の背伸びの高さこどもの日   大阪府  おかだ 卯月
サングラスさらりと嘘をつく女   兵庫県  国代 鶏侍
一人づつ吊橋渡り蛍待つ  埼玉県  古谷 多賀子

和田 華凜 選

ビストロの予約の席に水中花   滋賀県  近江 菫花
母の日のケチャップで絵を描く係   東京都  桜鯛 みわ
まっすぐの光にほどけチューリップ   東京都  羽住 博之

岡田 耕治 選

尻もちを叩けば蟻の落ちにけり   兵庫県  岩永 靜代
縁台にまだ体温や夕まぐれ   愛媛県  ひでやん
時に啼く羊の毛刈る手際かな  埼玉県  吉野 敬子

坪内 稔典 選

防空壕跡から出づる青大将   東京都  阿部 八富利
一人居の友を訪ねて豆の飯   奈良県  片岡 宏子
家族みな揃ふ日曜豆ごはん  兵庫県  小柴 智子

柿衞文庫賞

香水の空瓶に挿す野草かな   奈良県  阿部 由希子
しゃぼん玉世界ひっくり返ってぱん   大阪府  石浜 西夏
柿若葉えくぼ自慢の女子高生   兵庫県  菅野 漠水
病名をたたくパソコン暮の春   兵庫県  岸 耕治
家中のガラスが光る端午かな   愛媛県  砂山 恵子
蚕豆を茹でてほかほか明日も晴れ   兵庫県  太平 楽太郎
青時雨眼鏡外して見るメニュー    兵庫県   平 きみえ

佳作

妹の手をひく兄よ新学期   兵庫県  荒川 伊津子
紫陽花やぱりっとひらく蛇の目傘   大阪府  井上 昌子
あたたかや土器のかけらに魚の絵   大阪府  押見 げばげば
空豆やおかめひよつとこ飛び出して   兵庫県  小前 信子
若葉風泣いてもいいよ五分だけ   埼玉県  澤田 紫
蛇一匹人波割って進みおり     兵庫県  西峯 久仁子
夏の雲プラス思考がいいみたい   大阪府  松代 享子
夏の雨農具小屋から浪花節    奈良県   松村 和寛
はつなつのペペロンチーノ僧二人   兵庫県   村上 栄子
櫂の音のゆたかな波紋夏来る   北海道   村瀬 ふみや
着慣れたる服を取り出し更衣   兵庫県   横井 司

令和6年6月分(投句総数:997句)

特選

初生りの胡瓜早くもへそ曲がり   大阪府  合田 マサル

(選評)曲がると胡瓜がうまくなる、という変な理屈が感じられ、それがなんともおかしい。(坪内稔典)

入選

森田 純一郎 選

空色の絵の具買ひ足す梅雨晴間   宮崎県  石崎 智子
生きてゐることを忘れて山椒魚   京都府  加藤 草児
シャボンダマなないろの夢つまってる  兵庫県   中川 花音

和田 華凜 選

万緑やバス乗り継いでまた万緑   愛知県  飯田 イサク
普通食初日の夜のメロンかな   東京都  音羽 凜
妹はキラキラネームソーダ水  新潟県  春野 ぷりん

岡田 耕治 選

すいと燕ずいと鉄塔立ってをり   大阪府  井上 昌子
もう速く歩けぬ犬と夕涼み   奈良県  里井 貴美子
香水を一滴休日出勤す  北海道  須田 智美 

坪内 稔典 選

のぼってるそらの水あびそらのこい   兵庫県  今林 壮志
竹細工の小さき工房立葵   長野県  杏乃 みずな
私かて我慢したんや心太  滋賀県  まんぷく

柿衞文庫賞

引き籠りたき時もあり蝸牛   兵庫県  乾 まりよむ
紫陽花や滲む手紙の青インク   東京都  小笠原 祥子
校長の眼鏡に指紋入学す   富山県  折田 祐美子
おどってるたんぽぽ達が道端で   兵庫県  川尻 佳穂
夕涼や留守番の子のハーモニカ   三重県  瀬川 令子
嘘ついた口につるりと心太   石川県  中 十七波
夏の空カバは潜水中につき   静岡県  山里 うしを

佳作

父の日の父は子どもの名を忘れ   大阪府  石浜 西夏
日の暮れて蛍の川となりにけり   兵庫県  板垣 直美
隧道は雨のさかひ目栗の花   大阪府  押見 げばげば
阿吽像睨み利かせし登山口   大阪府  高橋 智代
かんな屑さけてピアスの三尺寝   東京都  羽住 博之
洛北の青田越しなる青田かな   愛媛県  松田 夜市
冷蔵庫恋愛期間延長す   北海道  村瀬 ふみや
どこからも見へるコンビニ青田波   和歌山県  柚木 みゆき

入賞者には、投句時にご記入いただいたご連絡先にミュージアムよりご連絡させていただいております。まだ連絡がない場合は、何らかのエラー、もしくはお電話の不通が考えられますので、お手数ですが市立伊丹ミュージアム(072-772-5959)までご連絡ください。

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