中原浩大 Drawings 1986-2012 コーちゃんは、ゴギガ?
会期|2012年9月22日(土祝)ー11月4日(日)
中原浩大(1961年生まれ)は、現代美術のなかでもひときわ異彩を放つアーティストです。しかし、表現に対するストイックな姿勢ゆえに寡作となり、その実像はあまり知られていません。
1980年代半ば、大学在籍中から、「頭のなかのイメージをそのままざくっと取り出してきた」具象とも抽象ともつかない立体造形により、“関西ニューウェーブ”を代表する作家として注目を集めました。活躍の場は瞬く間に海外にまで広がり、1993年にはヴェニス・ビエンナーレのアペルト部門に選出されます。
時代の先駆者として駆け抜けた10年あまりの歳月。その間に発表された作品は、実に多種多様です。大理石やブロンズなど従来の彫刻素材によるもの、床を覆い尽くす毛糸の編み物、13万個ものレゴブロックを使った巨大モンスター、そしてアニメのフィギュアを用いた作品。これらはその革新性とともに今なお語り継がれ、若手アーティストに多大な影響を与えています。
こうした創作活動の一方で、中原は綿々と“ドローイング”を続けてきました。日常のなかで引掛ったもの、響いたものをただ紙の上に描きとめるだけの、いわば中原自身が触媒と化す営み。それは本能に近い特別な存在として、作品制作とは別の次元に位置づけられています。「“迫害や試練のないままのお絵描き”行為として温存し生き延びている」と自ら語るように、ドローイングには「生(なま)の感覚」を追い求める、原初的な中原浩大像が刻印されているのではないでしょうか。
当館所蔵の最初期の作品を機に企画された本展では、新作を含め多数の未発表作品を紹介し、20年以上におよぶドローイング行為の全貌に迫ります。
会期 |
2012年9月22日(土祝)ー11月4日(日) |
会場 | 伊丹市立美術館・伊丹市立工芸センター |
休館日 | 月曜日(但し祝日開館・翌日休館) |
開館時間 | 10:00〜18:00(入館は17:30まで) |
入館料 |
一般¥500(400)/大高生¥250(200)/中小生¥100(80) |
主催 |
伊丹市立美術館[公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市] |
協賛 |
株式会社資生堂 |
協力 |
株式会社ノマル |
関連企画 |
◆ボディ・ドローイング ◆対談「コーちゃんは、ゴギガ?」 |