市立伊丹ミュージアム

EXHIBITIONS

過去の展覧会 2021年度以前(伊丹市立美術館)

今村源・錬菌術 Over the Ground Under the Ground

2006年9月9日(土)ー10月29日(日)

今村源・錬菌術 Over the Ground Under the Ground

本展は、関西を拠点に近年ますます旺盛に活動する今村源(いまむら・はじめ/1957~)の新作による個展です。今村は、机・冷蔵庫・椅子・電球など日常的な素材をわずかに加工することで、既成の価値の転換を試みます。それはしかしダダ的な否定とは無縁であり、作品はむしろユーモラスでさえあります。対象が内在する力をしなやかに変換し、新たな魅力をひきだすこと。作品は、視覚だけでは捉えきれない、別の次元の世界を媒介する装置となるのです。
 今回、今村の個展を開催するにあたり、独特な地上/地下の関係性をもつ、当館独自の空間構造に着目しました。「連菌術 Over the Ground, Under the Ground」(*連菌術=れんきんじゅつ)というタイトルは「目に見えない世界」、さらに今村が日頃から関心を抱く「菌類の世界」に焦点を当てたものです。生態系において、菌類は植物(生産者)と動物(消費者)をつなぐ還元者として重要な位置を占めています。キノコはその典型で、動植物からもたらされる有機物を分解し栄養を摂取する一方でミネラル分を供給し、見事な共生関係を築いています。しかし、そうした共生のドラマは、大概が地中という隠れた世界で繰り広げられます。我々が認識できるキノコとは、成長した菌糸として地上に姿を現した、いわばごく一部に過ぎないのです。
 今村の作品は、こうしたキノコの営みのように、実は目に見えない世界にこそ重要な摂理が潜んでいることを指し示しています。本展では、ともすると短絡的な視覚偏重主義に陥りかねない状況の中で、今村の視覚芸術を敢えて提示することで、思考の硬直化がすすむ現代社会に一陣の風が吹き込むことを期待するものです。落ち葉が微生物によって分解され土壌を豊かにするように、本展が来館者の方々の心の土壌となれば幸いです。

展覧会情報
会期 2006年9月9日(土)ー10月29日(日)
会場 伊丹市立美術館+重要文化財・旧岡田家住宅[酒蔵]
休館日 月曜日(但し祝日開館・翌日休館)
開館時間 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
入館料

一般500(400)円/大・高生250(200)円/中・小生100 (8O)円*()内は20名以上の団体割引
所蔵品展のみの入館料一般¥200(160)大高¥150(120)中小¥100(80)
*兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料
*4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60歳以上、土日祝65歳以上)

主催

伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団

助成

アサヒビール芸術文化財団 

協賛

SHISEIDO

関連企画

アーティスト・トーク(聴講無料・要観覧券)
■9月9日(土) 午後2時より
今村源氏(美術家)
会場: 重要文化財・旧岡田家住宅[酒蔵]
定員:70名(当日先着)

錬菌術講座(聴講無料・要観覧券)
「ちかのカチーきのこの目線に降りてー」4回シリーズ ※スタンプラリー実施
各回とも午後2時より 聞き手:今村源氏     
会場: 重要文化財・旧岡田家住宅[酒蔵]
定員:70名(当日先着) 

■9月16日(土)
「文化はきのこ」
森毅氏(数学者・評論家)

■9月23日(土・祝)
「虫草談義」   
大竹茂夫氏(画家・冬虫夏草研究者)

■10月1日(日)
「きのこのアングラ生物学」
相良直彦氏(菌類学・植物学者)

■10月7日(土)
「きのこ桃源郷」

同時開催

所蔵品展II 「ビゴーによる明治の女性たち」
9月9日(土)-12月17日(日)
1882(明治15)年に来日した仏人画家ジョルジュ・ビゴー(1860-1927)は諷刺雑誌「トバエ」を創刊。素描や版画などに描きとめた日常的な情景は、明治中期日本人の姿を情感豊かに伝えています。本展では、女性像に焦点をあてビゴーの版画作品を紹介します。

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