2016伊丹国際クラフト展 「酒器・酒盃台」
2016年11月12日(土)~12月25日(日)
「伊丹国際クラフト展」は、今回で19回目を迎えました。
今年のテーマは「酒器・酒盃台」です。清酒発祥の地・伊丹市は、酒造りの町として発展してきました。2013年10月には「清酒発祥の地・伊丹の清酒の普及の促進に関する条例」(「日本酒で乾杯」条例)も施行され、伊丹の酒文化の普及に向けた取り組みは、さらなる盛り上がりをみせています。
「日本酒で乾杯するシーンを愉しむ酒器と楽しい酒の場を演出する道具としての酒盃台」をテーマに作品を募集したところ、海外12か国52名を含む297名、1,430点の応募がありました。厳正な審査の結果、98名が入選、そのうち8名が入賞されました。
応募された作品は、様々なコンセプト、造形美に溢れており、高度な技巧や素材を活かした「酒器」や「酒盃台」の周りに人が集うさまが思い浮かぶものが数多く見られました。
本展では多様な表現で宴を彩る「酒器・酒盃台」をお楽しみいただければ幸いです。
-審査講評より-
「コミュニケーションとコラボレーション」
楽しく審査会は進んだ。
もとより、酒器・酒盃台の生かされる場を厭う者は少ないのだから当然ではある。
審査員の誰もが、出品された酒器・酒盃台を用いたハレの場を、あるいは密やかで親密な場を思い浮かべながら、想像の酒を堪能した。
酒器・酒盃台の紡ぎ出す場は、人と人の繫がりを大切にしようとする場である。たとえ独り酒に浸っていたとしても、その場には居ない大切で懐かしい誰かの顔が、杯の向こうに見えているものだ。
今回の受賞作の幾つかは、それが並べられた卓上の華やぎを想像させてくれるし、その場に居る皆を笑顔で繋ぐ雰囲気を演出するに充分な企みに満ちている。
人をもてなそうという気持ち、人と人を結びつけようという気持ちにあふれた作品は、作者の気持ちの豊かさを感じさせてくれて嬉しい。
一方、酒盃台の数の少なさを審査員の多くが惜しんでいた。酒器もさることながら、空間を創り出す上で酒盃台の役割は大きい。
受賞作の中にも見られたのだが、得意とする素材の異なる作者が共同で制作することの可能性に、もっと目を向けてもらっても良いのではなかろうか。
酒器と酒盃台を異なる作者で共に作り、豊潤で余韻の深い空間を創り出して見せて欲しいものだ。
審査員長 小清水 漸 [ 彫刻家・京都市立芸術大学名誉教授 ]
展覧会情報
会期 | 2016年11月12日(土)~12月25日(日) |
会場 | 伊丹市立工芸センター 企画展示室 |
休館日 | 月曜(祝日の場合翌日) |
開館時間 | 10:00〜18:00(入館は17:30まで) |
入場料 | 入場無料 |
主催 | 伊丹市立工芸センター[公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市] |
協賛 | 小西酒造(株)・伊丹老松酒造(株)・(株)光陽社・佐竹ガラス(株)・伊丹酒造組合 |
後援 | 近畿経済産業局・兵庫県・(社)総合デザイナー協会DAS・(株)ベイ・コミュニケーションズ・伊丹コミュニティ放送(株) |
審査員 | 小清水 漸 [彫刻家/京都市立芸術大学 名誉教授] 審査員長 伊藤 隆 [金工作家/大阪芸術大学 客員教授] 狩野 智宏 [ガラス造形作家/狩野グラススタジオ代表] 小西 新太郎 [小西酒造株式会社 代表取締役社長] 嶋 高宏 [グラフィックデザイナー/一般社団法人総合デザイナー協会DAS理事長] 外舘 和子 [工芸評論家/工芸史家] 孫 文秀 [アートディレクター (韓国)] |
表彰式 |
日時:11月12日(土) 13:00~ |
関連企画 |
「入賞作家の作品で伊丹のお酒を呑もう!」 「街なかの飲食店で、伊丹国際クラフト展の入賞作家の作品を使って伊丹の日本酒を呑もう!」 |
関連資料 | 展覧会チラシ |