市立伊丹ミュージアム

HAIKU PROGRAMS

伊丹一句(19)の日 結果発表

令和4年7~9月分

たくさんの投句をありがとうございました!伊丹一句(19)の日は毎月19~21日に実施していますので、どなたでも気軽に投句してください!

※諸般の事情により宇多喜代子先生の選はございません。ご了承ください。

令和4年7月分(投句総数:954句)

特選

スクロールしても終わらぬ夏怒濤   兵庫県伊丹市  相田 えぬ
(選評)夏の波の勢いのよさをスクロールという現代の語でうまく表現しました。この句を覚えてから、パソコンに向かっているとついつい海を連想します。(坪内稔典)

入選

山田 佳乃 選

夏みかんぽつかりあいた夫の口   静岡県袋井市  閑々鶏
勤務するはずの時間の梅酒かな   東京都中野区  二重格子

朝妻 力 選

ホウホウと鵜匠真似る子鵜になる子   兵庫県神戸市  石井 瑩
藪絞るごとく木通の蔓を引く   兵庫県尼崎市  前田 野生子

西谷 剛周 選

風鈴の始めは固き音色かな   兵庫県神戸市  岩永 靜代
ビル揺らす子ども神輿の風わっしょい   大阪府大阪市  小西 晴菜

森田 純一郎 選

縁台を譲り合ひつつかき氷   石川県鳳珠郡能登町  中 十七波
山鉾の一糸乱れぬ辻回し   島根県松江市   吉浦 増 

坪内 稔典 選

カラコンに写る渋谷のソーダ水   奈良県奈良市  相沢 はつみ
ここからは路面電車の夏の駅   兵庫県神戸市  青塚 英子

柿衞文庫賞

蟻の群大きな影を運びたる   香川県高松市  あずお 玲子
ふるさとの父母なき家の草いきれ   兵庫県宝塚市  荒川 芳郎
ところてん町家に多き風の道   大阪府茨木市  石田 愛子
茅の輪へと老老介護の車椅子   兵庫県川西市  黒木 康仁
ががんぼがいつもいる理科室の隅   大阪府大阪市  佐々木 千砂都
エコバックひろげひろげて瓜茄子   兵庫県伊丹市  平 きみえ
私だけトマトをがぶり片思い   三重県伊勢市  藤田 ゆきまち
焼酎や渋めの声の弾き語り   東京都八王子市  村上 ヤチ代
サンダルを手に駆けて来る少女かな   三重県伊勢市   山川 腎茶

佳作

朝顔や隣の柵で花咲かす   滋賀県草津市  石部 育香
サングラスかけて景色のちょっと冷え   兵庫県西宮市  乾 眞理子
メダカのねたまごぷくぷくうまれたよ   伊丹市立緑丘小学校  井上 希花
赤点もなんの中二のかき氷   兵庫県宝塚市  上田 幸子
風見鶏の目が単純で涼しくて   神奈川県横浜市  岡 一夏
出目金はブラックホールが大嫌い   兵庫県伊丹市  奥本 七朗
雲海の底にゐて湯を沸かしけり   高知県高知市  加田 紗智
鈍色の運河のよどみ百日紅   京都府京田辺市  加藤 草児
かたつむり自分の話しかしない   神奈川県厚木市  川越 羽流
餡蜜のパワーバランス崩す匙   島根県松江市   寺津 豪佐
マスクずれ友だちのかおをじっとみた   伊丹市立松崎中学校   中川 翔
夏の雨ざんざざんざと経を読む   兵庫県三田市   新元 光代
夏休みすれちがう子のカルキ臭   千葉県南房総市   沼 みくさ
入団は空蝉三つ少年団   大阪府大阪市   平川 直子
籐椅子にどっぷり浸かりサスペンス   兵庫県伊丹市   眞壁 朝春
大花野風に触れつつ埋れつつ  大阪府堺市  椋本 望生
さっきまで金魚だったね大谷さん  兵庫県宝塚市  村上 栄子
きのうえにてのひらぐらいしゃぼんだま  伊丹市立笹原小学校  吉岡 佑心

令和4年8月分(投句総数:838句)

特選

毎朝の早起き対決セミに勝つ   伊丹市立稲野小学校  増地 実結花

(選評)「セミに勝つ」に勝利者の喜びがあふれています。一日のすべてが快調に運んだのではないでしょうか。(坪内稔典)

入選

山田 佳乃 選

貝を踏むかかと八月十五日   神奈川県横浜市  岡 一夏
大漁旗山車にも立つる浦祭   兵庫県川辺郡猪名川町  小林 恕水

朝妻 力 選

コスモスやのらねこ2ひきかくれんぼ   伊丹市立鈴原小学校  稲田 和
先頭は孫の花束墓参り   岡山県瀬戸内市  貞住 昌彦

西谷 剛周 選

寝返りの足押し返す熱帯夜   大阪府東大阪市  赤窄 結
長押しはお断り蜩の腹   大阪府大阪市  雨森 茂喜

森田 純一郎 選

流星や島に一つの信号機   島根県出雲市  大月 順子
返信は未だ届かず敗戦日   兵庫県加古川市  小西 敬子

坪内 稔典 選

秋夜長ポップアップをねじ伏せて   奈良県奈良市  岡谷 よし子
デコポンの凸から剥いてゆく家系   埼玉県川越市  吉野 敬子

柿衞文庫賞

引き寄せて足蹴にされて夏布団   兵庫県川西市  糸賀 千代
生きるとか死ぬとか土用鰻とか   大阪府和泉市  押見 げばげば
消印はマーシャル諸島ソーダ水   東京都足立区  小野 史
胡瓜揉む私にできる愛し方   兵庫県芦屋市  影山 英之
谷ゆけば谷に沿ふ家岩たばこ   高知県高知市  加田 紗智
唇にやさしき直角ところてん   兵庫県伊丹市  金子 友美
ほうたるのゆらゆら闇にある湿り  神奈川県厚木市  川越 羽流
真ん中は質屋のおかみ盆踊  兵庫県西宮市  北原 薫
傘立に傘のびっちり秋暑し  兵庫県伊丹市  宮永 沙織 

佳作

猫じゃらし即かず離れず絡まらず   奈良県大和高田市  阿部 由希子
雲流る河童に手紙書く途中   大阪府堺市  石浜 西夏
隔離明けなんと蜻蛉のおおいこと   滋賀県草津市  石部 育香
空部屋の目立つアパート蝉時雨   大阪府東大阪市  和泉 攷
日盛やバイクに僧衣翻る   兵庫県神戸市  岩永 靜代
サングラスして言い難き事を言う   大阪府寝屋川市  岡崎 正子
腹立てている間にゴーヤ傷むわよ   埼玉県さいたま市  澤田 紫
向日葵の波間たゆたふ肩車   千葉県千葉市  橘 萌香
かなかなとご一緒しますハーブティー   大阪府箕面市  鶴濱 節子
味噌汁の豆腐太めに今朝の秋   兵庫県神戸市  平尾 美智男
空蝉のまだやはらかき朝の空   兵庫県伊丹市  松井 茂子
折鶴の行きどころなく秋立てり   和歌山県紀の川市  柚木 みゆき
新刊の歳時記書架に夜の秋   島根県松江市  吉浦 増

令和4年9月分(投句総数:862句)

特選

草の花路傍の石と共にあり   兵庫県西宮市  高市 敦之

(選評)石のそばの「草の花」が印象的です。日本の秋の平凡だけどすてきな風景です。(坪内稔典)

入選

山田 佳乃 選

蜩の境内平す竹箒   広島県東広島市  木染 湧水
郵便の来ない週末ちちろ鳴く   大阪府堺市  合田 マサル

朝妻 力 選

猫じやらしかすかな風を見逃がさず   大阪府堺市  青木 美葉
敬老日猫はわかつてゐるらしく   茨城県那珂市  和田 一作

西谷 剛周 選

赤とんぼみんなで風を食べている   大阪府堺市  石浜 西夏
朔太郎ひらいて月とメロンパン   兵庫県宝塚市  村上 栄子

森田 純一郎 選

一滴の目薬沁みる今朝の秋   大阪府東大阪市  江本 玲子
尼寺の手水に浮かぶ宵の月   大阪府豊中市  片山 和子

坪内 稔典 選

ばあちゃんはつま先立ちに西瓜切る   兵庫県尼崎市  けーい〇
Uberの自転車で来る夜学生   島根県松江市  寺津 豪佐

柿衞文庫賞

名月が君のまわりをてらしてる   伊丹市立鴻池小学校  朝賀 健介
朝寒や茶筒を引けばポンと鳴る   兵庫県神戸市  岸下 庄二
曼珠沙華咲く頃いつも叔母が来て   奈良県香芝市  里井 貴美子
秋暑し新居に箱の積み上がる   和歌山県海南市  山海 和紀
鰡跳ねて汽水の色に溶けにけり   愛媛県松山市  ひでやん
栗拾い縄文人の顔になる   兵庫県宝塚市  藤田 晋一
敬老の日の朝焼けとアンパンと   大阪府高槻市  松代 享子
ガンジーのTシャツで食ふ西瓜かな   愛媛県伊予郡松前町  松田 夜市
むけば手にくたと果てをり無花果は   和歌山県紀の川市  柚木 みゆき

佳作

月に雲ロールケーキに刺すフォーク   兵庫県伊丹市  相田 えぬ
さもあらんだってこの月の月だもん   大阪府大阪市  雨森 茂喜
さりげ無く奮起促す百日紅   兵庫県川西市  伊賀 豊子
暗がりの納屋の南瓜に蹴躓く   兵庫県神戸市  石井 瑩
小鳥来るときめき色の風が吹く   兵庫県川西市  糸賀 千代
色白が取得といはれ薄衣   大阪府堺市  井上 昌子
黒葡萄一粒若き君の死よ   兵庫県尼崎市  岩鼻 絹子
花火して妹ちょっと怖がった   伊丹市立鴻池小学校  岡本 鈴
仮差し歯てふ危さよ秋暑し   高知県高知市  加田 紗智
枕木の六角ボルト秋あかね   京都府京田辺市  加藤 草児
雨音に霞む吊り橋今朝の秋   兵庫県伊丹市  白石 千鶴子
ちゃちゃまるとふんふん言って運動会   伊丹市立伊丹小学校  髙橋 朱璃
手づくりの赤子のミトン秋の薔薇   兵庫県加古郡播磨町  瀧邊 里沙
校長も借りて走りぬ運動会   兵庫県神戸市  寅屋 照夫
連弾のドレスの胸の赤い羽根   石川県鳳珠郡能登町  中 十七波
ネンテンさんと影踏み遊び十三夜   大阪府豊中市  山岡 和子
お揃ひの歩幅で歩く月夜かな   大阪府茨木市  吉野 由美

特選・入選者には、投句時にご記入いただいたご連絡先にミュージアムよりご連絡させていただいております。まだ連絡がない場合は、何らかのエラーが考えられますので、お手数ですが市立伊丹ミュージアム(072-772-5959)までご連絡ください。

また、佳作者へのご連絡はこちらの発表をもって替えさせていただきます。

一覧に戻る

ページ上部へ戻る